脳梗塞に対するrt-PA 投与後に挫傷性脳出血を来した1 症例

  • 井中 康史
    国家公務員共済組合連合会三宿病院脳神経外科
  • 小野 健一郎
    国家公務員共済組合連合会三宿病院脳神経外科
  • 小林 弘明
    国家公務員共済組合連合会三宿病院脳神経外科
  • 高原 喬
    国家公務員共済組合連合会三宿病院脳神経外科
  • 大川 英徳
    国家公務員共済組合連合会三宿病院脳神経外科
  • 城谷 寿樹
    国家公務員共済組合連合会三宿病院脳神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • Intracranial hemorrhage after intravenous administration of tissue plasminogen activator in a patient with acute ischemic stroke: case report

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抄録

<p>要旨:87 歳,女性.歩行中に突然の意識障害と右不全麻痺を発症して転倒した.目撃者によって救急要請され,当院に救急搬送された.GCS E4V1M5 であり,失語と右不全麻痺を認めていた.頭部CT で頭蓋内に明らかな出血はなかったが,右頭頂部に皮下血腫を認めていた.MRI では,DWIにて左側頭後頭葉に淡い拡散制限を認め,MRA では左中大脳動脈の閉塞が疑われた.急性期脳梗塞の診断でrt-PA を投与した.投与後,痙攣発作が出現し,意識レベルが低下したため頭部CT を撮影すると,両側大脳半球,後頭蓋窩に散在性に出血を認めた.脳梗塞発症時の意識障害や麻痺症状により転倒し,頭部や顔面に外傷を来した症例にしばしば遭遇する.早期の頭部外傷は画像上判別が困難となることがあり,rt-PA 投与によって頭蓋内出血が引き起こされる可能性がある.外傷を疑わせる所見を認めた場合,rt-PA の適応を慎重に検討する必要がある.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 41 (2), 106-110, 2019

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (10)*注記

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