オーストリア・ハルシュタットにおける世界遺産登録地の商品化

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タイトル別名
  • Commodification of the World Heritage Site in Hallstatt, Austria
  • An Analysis of Overtourism in World Cultural Heritage Sites in Europe
  • —ヨーロッパの世界文化遺産登録地におけるオーバーツーリズムの分析—

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抄録

現在,ヨーロッパに集中する世界遺産登録地では,グローバル化による国際ツーリズムの進展とともに訪問者数が急激に増加している。その結果,オーバーツーリズム,すなわち訪問者の飽和・過剰やそれに伴う諸問題の顕在化がみられる。本研究は,オーストリアのハルシュタットにおけるオーバーツーリズムの実態を解明し,それに伴う諸問題を場所の商品化と関係づけて整理することを試みる。ハルシュタットは,「ハルシュタット文化」や塩鉱山に基づく歴史性,密集木造家屋が湖と周囲の山々と調和した景観に基づいてツーリズムの目的地として成長してきた。世界遺産登録(1997年)後の10年以上の間は訪問者数に増加はみられなかったが,2014年頃から日帰りの訪問者数が急激に増加している。増加に大きく寄与したのは周遊ツアーの中国人で,彼らは中央ヨーロッパに存在する複数の世界遺産登録地を団体バスで訪問する。しかし,近年,騒音,私有地への不法侵入,ドローン飛行などが問題視されている。ゲマインデ(自治体)は,訪問者に地元の人々の静かな生活を尊重するよう求めた掲示設置等によってオーバーツーリズムの解決を目指している。

収録刊行物

  • 地理空間

    地理空間 11 (3), 47-65, 2018

    地理空間学会

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詳細情報

  • CRID
    1390282763119432704
  • NII論文ID
    130007622767
  • NII書誌ID
    AA12471203
  • DOI
    10.24586/jags.11.3_47
  • ISSN
    24334715
    18829872
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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