急性期にステント支援下コイル塞栓術を行い,慢性期にOA‒PICA bypass併用trapping術を施行した破裂解離性椎骨動脈瘤の1例

  • 乾 敏彦
    社会医療法人寿会 富永病院 脳神経外科
  • 古部 昌明
    社会医療法人寿会 富永病院 脳神経外科
  • 須山 武裕
    関西医科大学総合医療センター 脳神経外科
  • 端 和夫
    医療法人 新さっぽろ脳神経外科病院 脳神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of ruptured vertebral artery dissecting aneurysm treated with stent-assisted coil embolization in the acute phase and OA-PICA anastomosis and trapping in the chronic phase.
  • 症例 急性期にステント支援下コイル塞栓術を行い,慢性期にOA-PICA bypass併用trapping術を施行した破裂解離性椎骨動脈瘤の1例
  • ショウレイ キュウセイキ ニ ステント シエン カ コイル ソクセンジュツ オ オコナイ,マンセイキ ニ OA-PICA bypass ヘイヨウ trappingジュツ オ シコウ シタ ハレツ カイリセイ ツイコツ ドウミャクリュウ ノ 1レイ

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抄録

<p> 59歳男性,突然の頭痛にて近医受診,診察中に意識レベル低下し,緊急頭部CTにてクモ膜下出血が認められ当院に搬送された.来院時JCS 200,WFNS grade VのSAHで,病変はPICAを含む右解離性椎骨動脈瘤(vertebral artery dissecting aneurysm: VADA)であった.重症例であり,血管内治療による迅速な治療が必要と考えられた.不整形の瘤であるためステント支援下コイル塞栓術(stent‒assisted coiling: SAC)を行った.術後経過は良好でmRS 1で退院したが,3ヶ月後に瘤の再発を認めたため,根治的治療としてOA‒PICA吻合術併用trapping術を行った.一過性の下位脳神経症状を認めたが改善し,その後14ヶ月の経過観察で再発無く良好に経過している.破裂解離性動脈瘤の再出血率は高く,発症後早期に起こりうるため,迅速な再出血予防治療が必要である.SACは母血管を温存しつつ,低侵襲かつ迅速に行うことができ,長期成績は不明であるもののPICA領域を含むVADA,特に重症例においては有用な方法と考えられる.しかし再発例では状態が安定したのち2次的に血行再建術を併用したtrapping術が必要となる場合がある.これらの方法を用いる事により重症例に対しても安全に根治的治療を達成することが可能である.</p>

収録刊行物

  • NEUROSURGICAL EMERGENCY

    NEUROSURGICAL EMERGENCY 24 (1), 72-77, 2019

    特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency

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