O-086 脳血管後遺症の痙縮に対しボトックス注射を施行し, 屋外歩行の獲得を目指した症例
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- 石川 達朗
- 医療法人社団 緑野会 みどり野リハビリテーション病院
抄録
<p>【はじめに】</p><p>ボツリヌス療法( 以下;BTX) は脳卒中治療ガイドライン2015 において, 痙縮に対する治療として推奨グレードA とされている. 本症例は脳出血発症後, 麻痺側上下肢筋の痙縮により屋外歩行が困難となった症例で, 痙縮に対しBTX を施行した. 本人の目標である屋外歩行の獲得に着目し, 歩容と歩行速度に改善を認めたので報告する. 尚, 症例への説明と同意を得て実施した.</p><p>【症例紹介】</p><p>50歳代男性,右被殻出血発症.左片麻痺を呈し, 急性期・回復期病院でのリハを行い, 屋内歩行はT 字杖でダブルクレンザック足継ぎ手の支柱付き短下肢装具( 以下;SLB) を使用して自立し自宅復帰された. その後, 屋外歩行の獲得に向けて外来リハを行っていたが, 麻痺側上下肢の痙縮による歩行の不安定性は改善されず, 退院して3 ヶ月後( 発症293 日後) にBTX を試行する経緯となった.</p><p>【評価】</p><p>回復期病院退院時( 発症195日後);ROM( 左) 膝関節伸展-5°, 足関節背屈0°,modified Ashworth Scale( 以下mAS) 膝関節伸展筋2, 足関節底屈筋3,10m 歩行11.9 秒,Timed Up and Go Test( 以下TUG)18.2 秒,6 分間歩行テスト192.8m.BTX 施行前; ROM( 左) 足関節背屈-10°, 10m 歩行12.8 秒,TUG19.5 秒</p><p>【方法】</p><p>BTX を試行した下肢筋への持続伸長ストレッチ, 拮抗筋の促通, 歩行訓練( 屋内・外),セルフストレッチの指導【結果・考察】</p><p>ボトックス注射2 週間後の評価ではROM 足関節背屈5°,mAS 足関節底屈筋2,TUG15.3 秒,6 分間歩行テスト248.6mと改善を認めた. 屋内・外歩行時の麻痺側遊脚期ではSLB 非装着時でもクリアランスが向上し, 引っ掛かりが消失した. 麻痺側上下肢筋の痙縮による筋緊張の亢進により, 立位・歩行時のバランスや姿勢制御が低下し運動パターンの異常が発生していたと考えられる. 筋緊張の改善と促通効果により, 振り出し時の下肢共同運動を行う中で足関節の背屈が行いやすくなり, また立脚終期に足関節背屈が出現したことにより重複歩距離の拡大が図れ, 歩行速度の改善に繋がったと考える.</p>
収録刊行物
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 36 (0), 86-86, 2017
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763121899008
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- NII論文ID
- 130007623801
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可