イピリムマブ投与後に生じた下垂体炎の 1 例

DOI
  • 清水 友理
    大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座皮膚科学教室
  • 種村 篤
    大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座皮膚科学教室
  • 壽 順久
    大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座皮膚科学教室
  • 沖田 朋憲
    大阪大学大学院医学系研究科内科学講座内分泌・代謝内科学
  • 向井 康祐
    大阪大学大学院医学系研究科内科学講座内分泌・代謝内科学
  • 片山 一朗
    大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座皮膚科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Hypophysitis Induced by Ipilimumab in Malignant Melanoma Patient

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抄録

<p>70歳代,男性。悪性黒色腫 Stage 4 に対してイピリムマブ投与中。来院 3 週間前に 3 投目のイピリムマブを投与し,投与数日後から嘔気,食欲不振,全身倦怠感が出現した。近医で補液されるも改善なく当科を受診された。来院時,低血圧,低血糖,低ナトリウム血症をみとめ,副腎不全を疑いコルチゾールを測定したところ低値であった。内分泌学的検査の結果,ACTH 分泌不全による副腎不全と診断した。症状出現時に撮像していた頭部 MRI では下垂体の腫大をみとめ,イピリムマブによる下垂体炎と考えた。ヒドロコルチゾン補充により症状は消失し,イピリムマブ投与を再開した。投与後症状の再燃はみとめずイピリムマブ投与を完遂した。イピリムマブによる下垂体炎の機序について若干の文献的考察を踏まえ報告する。 (皮膚の科学,17 : 260-264, 2018)</p>

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 17 (5), 260-264, 2018

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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