自己免疫性膵炎の治療と予後

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  • Standard treatment and the prognosis of patients with autoimmune pancreatitis

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抄録

<p>自己免疫性膵炎(以下AIP)の多くは閉塞性黄疸・糖尿病を合併するため,胆道ドレナージと血糖コントロールが原則となる.その上でステロイドの寛解導入を行う.ステロイドの維持療法は,最近の国内コホート,およびRCTの結果より3年間を目安に行い,ステロイド総投与量6~8g以上では重篤な副作用に注意する.再発はおよそ30%に認める.再発例にもステロイド投与が有効である.自然寛解はAIPの一部の疾患活動性の低い症例で認めるが,再燃することが多い.予後はおおむね良好である.再燃を繰り返す症例で,膵石をともない慢性化することがある.癌化はまれであるが,膵癌はAIP診断3~6年後に散見されている.また,paraneoplastic syndromeとしてのAIP発症も注目されている.</p>

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