穿刺吸引細胞診で診断しえた乳腺管状腺腫の 1 例

  • 増田 裕行
    増田医院乳腺外科
  • 林 和樹
    佐久市立国保浅間総合病院臨床検査科
  • 井出 景子
    佐久市立国保浅間総合病院臨床検査科
  • 井上 博之
    佐久市立国保浅間総合病院臨床検査科
  • 山ノ井 一裕
    佐久市立国保浅間総合病院臨床検査科 信州大学医学部分子病理学教室 信州大学バイオメディカル研究所

書誌事項

タイトル別名
  • A case of tubular adenoma of the breast diagnosed with fine-needle aspiration cytology

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抄録

<p>背景 : 乳腺管状腺腫は画像診断・穿刺吸引細胞診で線維腺腫と診断されることが多い.</p><p>症例 : 27 歳, 女性. 右乳腺腫瘤を訴えて来院. 超音波所見 : 乳腺表層から脂肪織内に長径 9 mmの形状不整な低エコー腫瘤を認めた. 縦横比 (D/W) > 0.7. エラストグラフィーでは硬い腫瘤であった. 以上の所見より悪性腫瘍の可能性も疑った. 穿刺吸引細胞診 : 分泌物をもった腺腔様の小型の細胞集塊と大型のシート状乳管上皮細胞集塊を認めた. 2 種類の集塊を認め, 上皮の二相性は保たれていることから正常あるいは良性, 推定組織型は管状腺腫と考えた. 背景の間質細胞が少ないので線維腺腫は否定した. 組織診 : 小型の腺管の密な増生がみられ, 間質には乏しかった. Cytokeratin は上皮細胞に陽性, smooth muscle actin は筋上皮細胞に陽性であり, 上皮の二相性は明瞭だった. 以上より管状腺腫と判断した.</p><p>結論 : 画像診断上は乳癌も疑ったが, 穿刺吸引細胞診では本症を疑い, 乳癌・線維腺腫と鑑別診断できた.</p>

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参考文献 (3)*注記

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