尋常性乾癬治療中に末梢性 T 細胞リンパ腫を生じた1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Peripheral T Cell Lymphoma in a Patient with Psoriasis Vulgaris
  • 症例 尋常性乾癬治療中に末梢性T細胞リンパ腫を生じた1例
  • ショウレイ ジンジョウセイカンセンチリョウ チュウ ニ マッショウセイ Tサイボウ リンパシュ オ ショウジタ 1レイ

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抄録

<p>79 歳,男性。数十年前から体幹・四肢の角化性紅斑を尋常性乾癬と診断され,ステロイド外用薬で加療されていた。2015 年 7 月から体幹・四肢の皮疹が急激に増悪したため,エトレチナート内服を開始した。当時リンパ腫などの他疾患を疑う所見は認めなかった。その後 narrow band ultraviolet B(NB-UVB) の全身照射を併用したところ,紅斑は消退した。2017 年 1 月より食欲不振が生じ,2 カ月間で体重が 15 kg 減少した。全身単純 CT で頚部,腋窩,肺門,縦隔,鼠径に多数のリンパ節腫脹を認めた。採血では,高カルシウム血症を認めたが,human T-cell leukemia virus type 1(HTLV-1)抗体は陰性であった。左鼠径リンパ節の病理組織では,リンパ節内に大型の異型リンパ球が増殖し,一部に肉芽腫様細胞も認めた。 非特定型末梢性 T 細胞リンパ腫と診断し,CHOP(cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, prednisolone)療法を 8 クール施行後,全身のリンパ節腫脹は消退し完全寛解と判定した。その後,乾癬の皮疹の再燃はみられていない。乾癬の罹患は,末梢性 T 細胞リンパ腫のリスク因子であるとの報告もあり,発症頻度は稀であるものの末梢性 T 細胞リンパ腫の合併に注意が必要である。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 81 (1), 22-25, 2019-02-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (6)*注記

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