ABO血液型不適合腎移植においてFCXMと抗HLA抗体検査の結果に乖離を認めた症例の基礎的検討

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of the discrepancy of the results of FCXM and anti-HLA antibodies in ABO-incompatible kidney transplantation

この論文をさがす

抄録

<p>[目的]本研究では,flow cytometry lymphocyte crossmatch(FCXM)とFlowPRA(One Lambda Inc., Canoga Park, CA, USA)による抗HLA抗体検査の結果に乖離を認めた症例について,その原因を究明するために基礎的検討を行った。[方法]ABO血液型不適合生体腎移植症例のうち,FCXMとFlowPRAの結果に乖離を生じた症例について,FCXMを用いてレシピエント血清中に存在する抗A,抗Bのリンパ球に対する反応性を調べた。尚,レシピエント血清は未処理のものと抗A,抗Bを吸収除去したものを用いた。また,リンパ球上のA型,B型抗原の確認には抗A,抗Bモノクローナル抗体とanti-Mouse IgMを使用した。[結果]レシピエント血清から抗A,抗Bを吸収することにより,FCXMにおいて陰性化した。また,抗A,抗Bモノクローナル抗体を使用したFCXMによりリンパ球上のA型・B型抗原の存在が確認された。[考察]ABO血液型不適合生体腎移植において,ドナー特異的抗HLA抗体(donor specific anti-HLA antibodies; DSA)が陰性であるのにFCXMが陽性となる原因の1つとして,抗Aおよび抗Bの関与が推測された。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 68 (2), 261-268, 2019-04-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ