喫煙歴のない高齢女性に発症した肺癌肉腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Pulmonary Carcinosarcoma in a Never-Smoking Elderly Woman

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抄録

<p>背景.肺癌肉腫は肺原発悪性腫瘍の0.3%を占める稀な疾患であり,重喫煙者で高齢の男性に多いとされる.一般的に予後不良で,標準治療が確立されていない.症例.71歳,女性.喫煙歴なし.2015年7月,労作時呼吸困難を主訴に当院外来を受診した.胸部X線写真で左肺野の異常陰影を指摘され,胸部造影CTを施行したところ左主気管支を閉塞する腫瘤を認め,左上葉は無気肺を来していた.気管支鏡検査を施行したところ,左主気管支を閉塞するポリープ状に発育した腫瘤性病変を認めた.経気管支生検を行うも確定診断に至らなかった.肺癌を疑い,診断的治療目的で手術を施行した.術後病理組織学的所見により,癌真珠の形成を伴う扁平上皮癌成分と類骨形成を認める骨肉腫成分よりなる肺癌肉腫と診断した.術後早期に再発したものの再発病変のコントロールは良好で,術後約3年を経た現在も存命している.結論.喫煙歴のない高齢女性に発症した肺癌肉腫の1例を経験したので報告した.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 59 (2), 168-172, 2019-04-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (9)*注記

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