両側強直股に大腿骨転子下骨折を来した1例

この論文をさがす

抄録

<p>【症例】77歳,女性.元来,股関節の可動性制限あるものの,歩行はシルバーカー使用にて緩徐に可能.今回,屋外にて転倒受傷し,当院へ搬送.単純Xpにて,右腸骨骨折,左大腿骨転子下骨折(Seinsheimer type5),両変形性股関節症(Kellgren-Lawrence分類grade4)の診断.受傷6日後に骨接合術(髄内釘)を行った.両股関節の強直あり,牽引手術台では困難かつXp軸位像は確認不可のため,右側臥位で観血的整復した後,髄内釘(IPT long nail)を挿入した.ラグスクリュー刺入方向は術前CTにて大腿骨頚部前捻角を意識しての挿入を行った.【経過】もともと座位保持困難あり車いす移乗は困難と判断し,ベッドサイドリハビリから開始.また術後から超音波骨折治療器使用し,テリパラチド皮下注射を開始.術後8週で仮骨形成認めており,立位訓練開始し,以降は疼痛に応じて全荷重まで許可とした.術後半年経過フォロー時には骨癒合完成認め,荷重時痛なく,もとの歩行状態まで改善した.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ