ヒト顎関節滑膜細胞のMonocyte chemotactic protein産生に対するフィブロネクチンフラグメントの影響

• 鈴木 麻由

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座

• 小倉 直美

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座 日本大学松戸歯学部口腔科学研究所

• 矢野 照雄

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座

• 髙橋 康輔

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座 日本大学松戸歯学部口腔科学研究所

• 山﨑 文惠

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座

• 渡邊 駿

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座

• 石上 大輔

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座 松戸市立総合医療センター歯科口腔外科

• 清水 一

  松戸市立総合医療センター歯科口腔外科

• 伊藤 耕

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座 日本大学松戸歯学部口腔科学研究所

• 近藤 壽郎

  日本大学松戸歯学部顎顔面外科学講座 日本大学松戸歯学部口腔科学研究所

書誌事項

タイトル別名

• Effect of fibronectin fragment on monocyte chemotactic protein expression in synovial fibroblasts from human temporomandibular joints

抄録

目的：細胞外基質の分解産物が慢性炎症の病態形成に関与することが報告されてきている。フィブロネクチンは代表的な細胞外基質であり，細胞外基質分解酵素によって分解されたフィブロネクチンフラグメント（FN-Fs）が，関節炎の増悪に関与することが報告されている。本研究では，顎関節炎症病態へのFN-Fsの影響を調べることを目的として，培養ヒト顎関節滑膜細胞（滑膜細胞）に30 kDa FN-Fを作用させ，Monocyte chemotactic protein（MCP）の遺伝子発現およびタンパク質産生について検討した。 顎関節内障（顎関節円板転位障害）患者滑膜から得た滑膜細胞にFN-Fを作用させたところ，MCP-1およびMCP-3遺伝子発現は刺激後6時間で，MCP-2は刺激後24時間で有意に発現上昇した。滑膜細胞培養液のMCP-1のタンパク質量は，FN-F作用後24および48時間で有意に上昇した。シグナル伝達経路の検討を目的に，各阻害剤を作用させたところ，MCP-1産生はNF-κB阻害剤によって有意に減少した。 30 kDa FN-Fは，滑膜細胞のNF-κBを活性化して，モノサイト/マクロファージの遊走および活性化を誘導するMCP-1産生を上昇させることが明らかになった。よって，30 kDa FN-Fは顎関節の炎症病態を亢進させる可能性が示唆された。

収録刊行物

• 日本顎関節学会雑誌

  日本顎関節学会雑誌 31 (1), 8-15, 2019-04-20

  一般社団法人 日本顎関節学会

キーワード

• 顎関節症
• フィブロネクチンフラグメント
• Monocyte chemotactic protein

詳細情報

• CRID: 1390845713068774272
• NII論文ID: 130007651465
• DOI: 10.11246/gakukansetsu.31.8
• ISSN: 18844308
• ISSN: 09153004
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2019233291
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可