関節鏡視下手術で治療した小児化膿性肘関節炎の1例

DOI
  • 西田 雄亮
    国立病院機構霞ヶ浦医療センター整形外科
  • 西浦 康正
    筑波大学附属病院土浦市地域臨床教育センター

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タイトル別名
  • Pyogenic Arthritis of the Elbow in a Child Treated by Arthroscopic Debridement; A Case Report

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抄録

<p> 12歳男児.平成27年7月中旬に熱発し,複数の医療機関を経て当科受診した.初診時,左肘関節に腫脹と熱感,圧痛を認め,可動域は伸展-42°,屈曲93°であった.MRIで関節液貯留を認め,WBC6800/μl,CRP1.74mg/dlと炎症反応の軽度上昇を認めた.関節穿刺液は黄色混濁であり,鏡検で細菌は確認されなかった.抗菌薬静注を開始したが,炎症反応が増悪し,関節鏡視下手術を行った.前方・後方に2か所ずつポータルを作成し,関節包全体に赤い病的滑膜を認めたため可及的に切除・焼灼した.術後,術前2回目の関節穿刺液の培養で黄色ブドウ球菌が検出された.術後7日でドレーンを抜去し,可動域訓練を開始した.術後23日でCRPが陰性化した.再燃なく経過し,術後20週で可動域制限なく改善した.診断にやや苦慮したが,関節鏡視下手術が奏功し良好な成績が得られた.化膿性肘関節炎に対して関節鏡視下手術は有用である.</p>

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