経食道エコープローブによる咽頭破裂をきたした大動脈弁位感染性心内膜炎の1例

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  • Successful Surgical Treatment for Pharyngeal Perforation in a Patient with Aortic Valve Infectious Endocarditis

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抄録

<p>症例は,中咽頭癌に対して7カ月前に化学放射線療法を施行された72歳,男性.3カ月前に脳梗塞を発症し,リハビリ療法中であった.1カ月前より腰痛にて歩行困難となり,化膿性脊椎炎と診断され抗生剤投与を受けていた.2週間前より呼吸苦が出現,高度の肺うっ血にて3日前より人工呼吸管理となった.大動脈弁位の疣贅および高度の大動脈弁閉鎖不全症が認められ,感染性心内膜炎の診断で緊急手術となった.胸骨正中切開すると,前縦隔心左側に経食道エコーのプローブが見られ咽頭破裂と診断された.縦隔内を十分に洗浄し,生体弁を用いた大動脈弁置換術を行った後,開腹し大網を採取した.ついで頸部手術に移り,梨状窩の穿孔部を直接閉鎖,前縦隔を通した大網で咽頭修復部位を被覆し,胸骨を一期的に閉鎖した.術後経過は比較的順調で,術後32日目に一般病棟へ転室した.術中経食道エコープローブによる,稀できわめて重篤な咽頭破裂の合併症を経験し,救命したので報告する.</p>

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