妊娠中に合併した肺動脈塞栓を伴う切迫奇異性塞栓症の1手術例

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  • A Case of Impending Paradoxical Embolism in a Pregnant Patient with Pulmonary Thromboembolism

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抄録

<p>症例は27歳女性.妊娠25週6日目に左大腿部痛の後2度の意識消失があり,当院産婦人科に救急搬送された.心エコーで心房壁に付着部を持つ可動性を有する構造物を両心房に認め,切迫奇異塞栓(impending paradoxical embolism ; IPE)が疑われた.心房内の血栓の形態からさらなる塞栓を起こす可能性が高く,帝王切開にて児の救命も可能と考えられたため緊急手術適応と判断した.手術室に搬入し,帝王切開を行った後,人工心肺を用いて低体温下に右房を切開し,血栓を除去した.さらに術中経食道エコーにて右肺動脈に塞栓を認めたため,右肺動脈切開し塞栓を除去し,手術を終了した.術後,下肢静脈エコーで大腿静脈血栓を認め,下大静脈フィルターを挿入した.その後16日目に退院した.動脈系の塞栓症には至っておらず卵円孔に血栓が嵌入した状態はIPEと呼ばれる.IPEは稀な病態であり,妊娠に合併し,外科的血栓除去を行った症例の報告はなく,文献的考察を加え報告する.</p>

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参考文献 (3)*注記

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