P-2-E18 家族会を通じた13トリソミー児に関する全国調査(2015)より

DOI
  • 赤塚 早紀
    東京都立小児総合医療センター 総合診療科 医療法人財団はるたか会 子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田
  • 仁後 綾子
    東京都立小児総合医療センター 総合診療科
  • 幡谷 浩史
    東京都立小児総合医療センター 総合診療科
  • 小出 彩香
    東京都立小児総合医療センター 神経内科 東京都立府中療育センター 小児科
  • 冨田 直
    東京都立小児総合医療センター 総合診療科 東京都立小児総合医療センター 神経内科 東京都立小児総合医療センター 子ども家族支援部門
  • 古庄 知己
    信州大学医学部附属病院 遺伝子医療研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • − I.無呼吸発作について−

この論文をさがす

抄録

目的 13トリソミーは予後不良な染色体異常症として知られるが、日本での大規模調査はない。演者らは2015年より家族会(「13トリソミーの子供を支援する親の会(1998年発足)」、以下、13トリソミーの会)を通じ全国調査を実施した。そのうち呼吸器合併症に関連した項目について報告する。 方法 実施期間は2015年12月から1年間。選択・自由回答形式アンケート調査。13トリソミーの会に入会歴のある計100家族に対し実施した。 結果 返却率63%。染色体核型不明と呼吸器合併症の有無不明を除く有効回答数57(90%)。《1》染色体核型:フルトリソミー型51例、転座型5例、モザイク型1例。《2》呼吸器合併症(55例):無呼吸発作87%、気管気管支軟化症44%、喉頭軟化症5%、肺低形成5%、上気道狭窄2% 等。《3》治療内容:在宅酸素47%、単純気管切開27%(1例は4歳でカニューレ抜去)、人工呼吸器管理40%。《4》無呼吸発作(48例):気道病変(気管気管支軟化症、喉頭軟化症)あり42%、先天性心疾患あり90%、てんかんあり56%、いずれもなし4%。《5》無呼吸発作時の対応:酸素投与44%、刺激40%、バギング40%、人工呼吸器装着27%、吸引17%、救急搬送10% 等。《6》蘇生に準じた処置を必要とした重度の発作があった例は60%。《7》無呼吸発作の発症時期:「生後6カ月未満」79%、「1-2歳」10%、「在宅移行後(詳細不明)」4%、不明6%。《8》発作回数の推移:減少50%、増加4%、横ばい27%、減少後増加4%、不明15%。《9》発作の減少時期:1歳未満27%、1-2歳35%、3-8歳31%、不明8%。《10》発作に影響する因子は不明75%で、他は気道、経口摂取、ストレス、成長、排便時の力み、抗てんかん薬。 考察 13トリソミー児は、高頻度に無呼吸発作を生じ、しばしば重症化すること、生後6カ月未満に発症し、約60%は2歳までに減少する傾向にあること、背景因子や誘発因子は多彩であることが示された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ