急性膵炎の発症を回避した高トリグリセリド血症合併妊娠の1例

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タイトル別名
  • A case of hypertriglyceridemia during pregnancy
  • 症例報告 急性膵炎の発症を回避した高トリグリセリド血症合併妊娠の1例
  • ショウレイ ホウコク キュウセイスイエン ノ ハッショウ オ カイヒ シタ コウトリグリセリド ケッショウ ガッペイ ニンシン ノ 1レイ

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抄録

<p>妊娠中の高脂血症は,まれではあるが急性膵炎の原因となり,急性膵炎を発症すると母児ともに重篤な経過をたどるため慎重な管理が必要であり,妊娠中の高脂血症は迅速な診断と治療が必要である.急性膵炎の原因として胆石症やアルコール,糖代謝異常症などがあるが高脂血症も原因の1つである.しかし妊娠中の高脂血症に対し,一般的な治療法はいまだに確立されていない.今回われわれは,妊娠28週時に高トリグリセリド血症を偶発的に判明し,トリグリセリド(以下TG)をコントロールし,急性膵炎を発症することなく妊娠を終了したので報告する.症例は31歳,2妊1産で,妊娠28週時に血清乳びを呈し,TGの異常高値が判明し同時に甲状腺機能低下症も判明した.食事療法・薬物療法を施行することによって,TGをコントロールし安全に分娩終了し,分娩終了後に速やかにTGが改善した.分娩後,TGは著明に改善したことから,妊娠成立は高TG症の原因となったと考えられる.〔産婦の進歩71(2):123-127,2019(令和元年5月)〕</p>

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