光アレルギーを予測できる新規<i>in chemico</i>代替法であるphoto-ADRAの開発

DOI
  • 山本 裕介
    富士フイルム株式会社 CSR推進部 環境・品質マネジメント部 安全性評価センター
  • 藤田 正晴
    富士フイルム株式会社 CSR推進部 環境・品質マネジメント部 安全性評価センター
  • 鰐渕 彩花
    富士フイルム株式会社 CSR推進部 環境・品質マネジメント部 安全性評価センター
  • 佐藤 彩子
    富士フイルム株式会社 CSR推進部 環境・品質マネジメント部 安全性評価センター
  • 勝岡 尉浩
    富士フイルム株式会社 CSR推進部 環境・品質マネジメント部 安全性評価センター
  • 笠原 利彦
    富士フイルム株式会社 CSR推進部 環境・品質マネジメント部 安全性評価センター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of the photo amino acid derivative reactivity assay (Photo-ADRA); newly <i>in chemico</i> altervative method for predicting photoallergy

抄録

<p> 光アレルギー性試験は、化粧品や一部の医薬品の申請に必要な試験であるため、代替法の開発が期待されているが、まだ公定法になったテストガイドラインはない。それゆえ、我々は、感作性メカニズムのKey event 1である化学物質とタンパク質の結合性を評価するin chemico 皮膚感作性試験代替法のAmino acid Derivative Reactivity Assay (ADRA) を応用して光アレルギー試験法 (photo-ADRA) の確立を目指した。まず、試験の判定基準を決定するために、光アレルギーポテンシャルが既知の59物質を用いた検討試験を実施した。具体的には光照射条件下と非光照射条件下で反応させたサンプルをHPLC-UV法とHPLC-蛍光法(HPLC-FL法)の2方法で実施し、光照射条件下depletion値から非光照射条件下のdepletion値を差し引いた値を用いて光アレルギーポテンシャルの判定基準を決定した。設定した判定基準に基づき、59物質についてヒトに対する予測精度を算出したところ、UV法は82.8 % (48/58)、蛍光法は81.4 %(48/59)であった。UV法では、光によって変化した複数の被験物質由来のピークが、求核試薬であるNAC/NALと共溶出したため、正確に測定できない物質があったが、FL法ではすべての物質を共溶出なく正確に測定することができた。また、光アレルギー物質として報告されているが、3T3NRUにおいて陰性または疑陽性に判定される8化合物についても、photo-ADRAではすべて陽性として判定することができた。さらに、5種類の非光アレルギー物質から成る混合液に3種類の光アレルギー物質を1種類ずつ添加した疑似混合液について、光アレルギー評価をHPLC-UV法およびHPLC-FL法で実施したところ、光アレルギー物質単独で測定した場合とほぼ同じdepletion値となり、評価において他の化合物の影響を受けなかった。以上より本研究は、化学物質の光アレルギーポテンシャルの判定方法を示しただけでなく、複数の物質を含む混合液の評価ができる可能性を示すことができたことから、光アレルギー性試験代替法として利用価値は高いと考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288152373120
  • NII論文ID
    130007677466
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-25e
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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