カテーテル的血栓除去術により救命した肺癌術後の心停止に至った肺血栓塞栓症の1例

• 森 彰平

  東京慈恵会医科大学呼吸器外科

• 福本 梨沙

  東京慈恵会医科大学循環器内科

• 柴崎 隆正

  東京慈恵会医科大学呼吸器外科

• 大塚 崇

  東京慈恵会医科大学呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名

• Pulmonary thromboembolism with cardiac arrest after surgery for lung cancer successfully treated with catheter-assisted thrombus removal

抄録

肺癌術後に心肺停止に至る肺血栓閉塞症を発症したが，心肺蘇生とカテーテル的血栓除去により救命し得た症例を報告する．肺癌に対する胸腔鏡下左上葉切除の術後1日目の離床時に，失神に続いて心肺停止となった．直後から心肺蘇生が施行され，心臓超音波で著明な左室圧排所見があり，肺血栓塞栓症が疑われた．経皮的心肺補助とカテーテル的血栓除去の方針で，蘇生を続けられながらカテーテル室へ移動した．心肺蘇生開始から約40分後，自己心拍再開し心肺補助装置は接続されず，カテーテル的血栓除去が施行された．肺動脈造影で右肺動脈上幹を中心に多発する血栓像を認め，血栓破砕・吸引により多量の血栓が回収され，直後から循環動態が安定した．神経学的な後遺症なく術後25日目に退院した．心停止や循環虚脱で発症する肺血栓塞栓症は致死率が非常に高いが，直後からの心肺蘇生とカテーテル的血栓除去術が奏功した事により救命できたと考えられた．

収録刊行物

• 日本呼吸器外科学会雑誌

  日本呼吸器外科学会雑誌 33 (5), 520-524, 2019-07-15

  特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会

キーワード

• 肺血栓塞栓症
• カテーテル的血栓除去術
• 血栓吸引術
• 心停止
• 肺癌

詳細情報

• CRID: 1390282763129209472
• NII論文ID: 130007679437
• DOI: 10.2995/jacsurg.33.520
• ISSN: 18814158
• ISSN: 09190945
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacsurg/33/5/33_520/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2019314653
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可