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- タイトル別名
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- ACUTE SCROTUM IN THE PEDIATRIC EMERGENCY ROOM: A SINGLE CENTER RETROSPECTIVE STUDY
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抄録
<p> (目的) 小児救急外来を受診した急性陰囊症の患者を調査した.</p><p> (対象と方法) 2010年3月から2014年3月に,急性陰囊症で救急外来を受診した患者を対象とした.診療録から最終診断を精索捻転症,精巣付属器捻転,精巣上体炎,精巣炎,鼠径ヘルニア嵌頓,特発性陰囊浮腫,シェーンライン・ヘノッホ紫斑病,陰囊水腫,外傷,原因不明として後方視的に検討した.</p><p> (結果) 救急外来を受診した急性陰囊症の患者は257例であった.患児は平均6.7歳,発症部位は右側120例(47%),左側108例(42%),両側29例(11%)であった.疾患別の頻度は,精索捻転症33例(13%),精巣付属器捻転8例(3%),精巣上体炎85例(33%),精巣炎4例(2%),鼠径ヘルニア嵌頓59例(23%),特発性陰囊浮腫6例(2%),シェーンライン・ヘノッホ紫斑病9例(4%),陰囊水腫10例(4%),外傷12例(5%),原因不明31例(12%)であった.精索捻転症は発症から受診まで平均0.6日で,12例(36%)の症例が直接受診していなかった.泌尿器科の緊急手術は31例(12%)で,28例(90%)は精索捻転症で6例(21%)は精巣を摘出した.</p><p> (結論) 小児救急外来の急性陰囊症は精巣上体炎が最も多く,精索捻転症は13%に認めた.精索捻転症は発症から受診までに時間を要しており,発症後に早期受診をするように疾患の啓発を行うべきである.</p>
収録刊行物
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- 日本泌尿器科学会雑誌
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日本泌尿器科学会雑誌 109 (3), 131-136, 2018-07-20
一般社団法人 日本泌尿器科学会