身体的愁訴を呈する登校困難児に対する漢方治療

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タイトル別名
  • Kampo Therapies for Children Difficult to Attend School who Were Presenting Somatic Complaints
  • 臨床報告 身体的愁訴を呈する登校困難児に対する漢方治療
  • リンショウ ホウコク シンタイテキ シュウソ オ テイスル トウコウ コンナンジ ニ タイスル カンポウ チリョウ

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抄録

<p>身体症状を呈し登校困難となった8症例に対する漢方治療の効果について検討した。効果判定については,不登校診療ガイドラインに記載された評価基準を用いて客観的に評価した。西洋医学的診断としては,起立性調節障害が4例,片頭痛が2例,上腹部不随意運動・自律神経失調症がそれぞれ1例であり,漢方方剤の選択は証に随って行った。その結果,8例中5例が有効,2例がやや有効,1例が不変であった。半数以上に効果を認めたことで,登校困難児の中に漢方治療が有効な一群が存在することが示唆された。登校困難児には個別対応が必要であるが,漢方治療はまさしく個別治療であり,有用な治療手段になりうると考えられた。今回の報告は不登校児の漢方治療を多数例で検討した初めての報告であり,客観的な評価基準を用いた報告も過去に見られない。今後,一般小児科医に対しては伝統的な考え方に基づく漢方治療の有用性をさらに啓蒙していく必要がある。</p>

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