みりんを利用したお菓子への活用

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タイトル別名
  • Utilization of sweet cooking sake in desserts

抄録

<p>【目的】みりんは,日本古来の調味料であり日本料理には欠かせない調味料である。みりんの成分は米,米麹,焼酎または醸造用アルコールを原料とする酒類調味料である。約45%の糖と約14%のエタノールなどを含んでいることにより,料理のテリやツヤ,風味の向上に関与する。本研究では,みりんの原材料であるもち米はメーカーによって異なるため,予備実験を行い糖度や色の違いを分析し,その結果を基に洋菓子への活用として,今回はパウンドケーキのグラニュー糖をみりんに置換することにより,みりんがグラニュー糖の代替甘味料となるかを検討した。</p><p>【方法】みりんの調製はアルコールを飛ばし,半量まで煮詰め,常温冷却させたものを使用した。基本材料は,バター(食塩不使用),全卵,グラニュー糖,薄力粉,ベーキングパウダーを使用した。グラニュー糖で調製したものをコントロールにし,グラニュー糖とみりんを混合させたもの,グラニュー糖をみりんに置換したものに分けて比較した。焼成後22℃〜25℃で放冷し,0〜5日後,膨化率,水分活性,物性測定,内部観察を行った。</p><p>【結果および考察】グラニュー糖をみりんに置換したパウンドケーキは,コントロールより焼き色が濃くなる傾向にあった。それはみりんの糖組成が複雑なものであり,また各種のアミノ酸やペプチド,有機酸等の呈味成分を含むことに関与していると考えられる。みりんのパウンドケーキの評価は,風味が増しスッキリとした切れ味で好評価であったことより,グラニュー糖の代替甘味料として活用できることが分かった。また,みりんはグラニュー糖と比べ,エネルギーは低く血糖値が上昇しにくいことから,生活習慣病の予防の一助として活用できるのではないかと考える。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001288157557248
  • NII論文ID
    130007695898
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_95
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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