鼠径部ヘルニア術後長期成績と患者満足度の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Long-Term Outcome and Patient Satisfaction after Inguinal Hernia Repair

この論文をさがす

抄録

<p>目的:鼠径部ヘルニア術後は退院後初回外来で経過観察終了のことが多く,十分なfollowがされていない.アンケートで鼠径部ヘルニア術後の長期成績と患者満足度を調査し,術後followの在り方を知ることを目的とした.方法:2008年1月から2016年12月までに当院で手術を施行した鼠径部ヘルニア(1,936例,2,160病変)を対象に,アンケート調査を施行した.調査内容は,①患部(ヘルニアのあった部位)の痛み,しびれ,違和感の有無.②手術に対する満足度.③患部の腫脹の有無.④診察の希望の有無,とした.結果:回収率は77.1%(1,325例/1,718例).①痛みは16%,しびれは5%,違和感は24%.②手術に対する満足度は89%が満足と回答していた.合併症別の満足度は漿液腫では有意差は認めなかったが,再発,出血,感染,慢性疼痛があれば有意に満足度は低かった.③患部の腫脹は91例(6.9%)で腫れるとの回答があった.65例に診察を行い,11例(17%)に再発を認めた.④149例(11%)に診察希望があった.これらのうち119例に診察を行い,5例(4.2%)に再発を認めた.ほかに1例他院で再発手術を受けていることが判明した.アンケート調査施行前に判明していた再発は44例であり,アンケート調査により新たに11例再発と診断した.また,診察希望の理由の多くは不安を払しょくするためだった.結語:手術時にこのアンケート調査の結果を十分に説明し,希望があればいつでも再診するように説明することが必要である.</p>

収録刊行物

参考文献 (24)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ