肝内胆管粘表皮癌の1切除例

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  • Mucoepidermoid Carcinoma of the Intrahepatic Bile Duct

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抄録

<p>症例は83歳の女性で,心窩部痛の精査目的に当院へ紹介となった.腹部CTで肝左葉外側区先端に径5 cm大の辺縁不整な腫瘤を認め,辺縁はリング状に造影されていた.明らかなリンパ節腫大や腹水,遠隔転移は認めなかった.肝内胆管癌を疑い肝外側区域切除術を施行した.術中,胃体上部前壁に径1.5 cm大の粘膜下腫瘍が疑われ同部を含め部分切除した.病理組織学的検索で肝外側区の腫瘤は粘表皮癌で,胃の腫瘤はその転移と診断された.手術関連合併症は認めないものの,発熱,食欲不振が続いたためCTを施行したところ,多臓器転移を認めた.肝内胆管由来の粘表皮癌は極めてまれであり,多臓器転移により予後不良とされる.手術施行例においても長期生存例は少なく,早期に発見し治療を行うことが重要と考えられた.</p>

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参考文献 (14)*注記

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