冠静脈洞開口部狭窄を合併したunroofed coronary sinusの1例

  • 相賀 護
    東京医科大学八王子医療センター循環器内科
  • 大島 一太
    東京医科大学八王子医療センター循環器内科
  • 山田 聡
    東京医科大学八王子医療センター循環器内科
  • 田中 信大
    東京医科大学八王子医療センター循環器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Coronary sinus ostial stenosis with unroofed coronary sinus

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抄録

<p>症例は82歳男性,発作性心房細動の診断にてカテーテルアブレーション治療検討のため,当院紹介となった.経胸壁心エコー図検査で冠静脈洞(CS)の拡大を認め,心尖部二腔像では,CSと左房間で交通しunroofed coronary sinus(UCS)が示唆されたが,右心系の拡大は認めなかった.精査目的で経食道心エコー図検査(transesophageal echocardiography: TEE)を施行した.左上肢からの攪拌生理食塩水による経静脈コントラストエコーでは,左上大静脈遺残は否定的であった.3次元経食道心エコー図検査(3D-TEE)にてCSはCS終末部で左房と交通し,径15 mm大の欠損孔が確認された.さらに冠静脈洞開口部は狭窄し,3D-TEEによる狭窄部の形態は,膜様多孔性であった.UCSに冠静脈洞開口部狭窄を合併しているものと診断した.UCSによるCSを介した左房から右房への短絡血流が冠静脈洞開口部狭窄により制限され,顕著な右心系の容量負荷に至らなかったものと推測された.3D-TEEはUCSおよび冠静脈洞開口部狭窄の形態評価に有用であった.</p>

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 46 (5), 437-441, 2019

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (10)*注記

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