制作者研究NEO <地域にこだわる> 【 第1回 】 吉崎 健(NHK)後編

書誌事項

タイトル別名
  • Research on TV Producers NEO <Attachment to the Locality>【Part I】 Takeshi Yoshizaki, NHK (2/2)
  • 制作者研究NEO 地域にこだわる(第1回)吉崎健(NHK)(後編)"水俣"を終わったことにさせない
  • セイサクシャ ケンキュウ NEO チイキ ニ コダワル(ダイ1カイ)キチサキケン(NHK)(コウヘン)"ミナマタ"オ オワッタ コトニ サセ ナイ
  • Never Let Minamata Be a Thing of the Past
  • “水俣”を終わったことにさせない

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抄録

前編では赴任地の熊本で初めて“水俣”に出会った吉崎健ディレクターが、心身傷だらけになりながら胎児性水俣病患者たちの番組を作り、その後転勤した東京では制作環境に戸惑い、思うように番組を作れないうちに長崎に異動を命じられたことまで伝えた。後編はその後吉崎が長崎からの転勤先に福岡を選び、<地域にこだわる>決意を固め、再び“水俣”に取り組んでいく姿を追う。吉崎は2009年の水俣病特別措置法により「最終決着」が計られる中、たくさんの潜在被害者が切り捨てられる実態をリポート、そこから「終わりにさせられようとしている“水俣”とは何であるのか」の問いをかかげる。まず半世紀以上に渡って“水俣”の社会への発信と患者支援を続けた医師の原田正純と作家の石牟礼道子の生き方と思想を検証、二人の人生をかけた「告発」の本質に肉迫する。さらに戦後史を検証するシリーズに参加、社会階層間に差別の構造をつくり、企業経営者からも、医師からも、官僚からも、人間性を排除していった「日本の近代」の実像を見つめ、いま必要な「救済」とは何であるかを掘り下げた。そして同じように20年以上にわたって水俣にこだわってきたNHK記者・東島大と出会い、東島の粘り強い交渉でチッソの最高責任者・後藤舜吉へのオンカメラ・インタビューが実現、二人は“水俣”を終わらせようとする張本人に切り込み、その「思惑」を白日の下に曝した。吉崎の”水俣“を終わったことにさせない「闘い」はいまも続いている。

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