透析用血管アクセスに関連した真性上腕動脈瘤の1手術例

DOI
  • 芥田 壮平
    公益財団法人東京都保健医療公社大久保病院外科
  • 米倉 孝治
    公益財団法人東京都保健医療公社大久保病院外科
  • 菅野 範英
    公益財団法人東京都保健医療公社大久保病院外科

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タイトル別名
  • A Surgical Case of True Brachial Artery Aneurysm Associated with Vascular Access for Dialysis

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抄録

<p>長期にわたる透析用動静脈瘻(AVF)使用後に真性上腕動脈瘤を発症した症例報告は,世界的に数十例である.われわれは,血管アクセスに関連した真性上腕動脈瘤の1手術例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は49歳男性で,慢性腎不全のため35年の透析歴があった.左前腕AVFを20年間使用していたが閉塞したため,右前腕にAVFを作成した.以降15年間,左上肢の血管を穿刺したことはなかった.左手の痺れを自覚し医療機関を受診した際に,左手の色調不良と上腕の拍動性腫瘤を指摘された.造影CTでは,左上腕動脈は近位より拡張し,左上腕深動脈が分岐した直後から瘤化しており,拡張の強い部位に壁在血栓を伴っていた.左手の痺れと色調不良は壁在血栓による塞栓症状と考えられたため,左上腕動脈瘤切除術,右大伏在静脈グラフト置換術を施行した.塞栓症状を呈する真性上腕動脈瘤に対し,外科的治療は有用であった.</p>

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