慢性骨髄性白血病治療薬チロシンキナーゼ阻害剤の血中濃度を用いた治療マネジメントupdate

書誌事項

タイトル別名
  • Management using the plasma concentration of tyrosine kinase inhibitors for the treatment of chronic myelogenous leukemia: an update
  • マンセイ コツズイセイ ハッケツビョウ チリョウヤク チロシンキナーゼ ソガイザイ ノ ケッチュウ ノウド オ モチイタ チリョウ マネジメント update

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抄録

<p>慢性骨髄性白血病治療薬として現在5つのチロシンキナーゼ阻害剤が使用可能である。各々の薬剤において,特定の血中濃度を指標に投与量を調節する治療法の有用性が確認されている。イマチニブは特定薬剤治療管理料が算定でき,ターゲット血中トラフ濃度(C0)を1,000 ng/mlにすることで,1年でのMMR達成率が37%から63%に上昇している。ニロチニブは490 ng/ml以上にすることでMMR達成が6ヶ月早まっており,C0値900 ng/mlでより深い寛解が得られる。ダサチニブはC0値を4.33 ng/ml以下の可能な限り検出させないことで胸水発現を抑えることができ,ボスチニブはC0値62 ng/mlを推移させることで,治療開始1年におけるMMR達成が有意に高まる。ポナチニブは21.3 ng/mlをターゲットに投与量を調節することで,血管閉塞性有害事象を回避した継続的治療の可能性が考えられている。本稿では血中濃度を用いた治療戦略の導入による治療成績の変化について概説する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (9), 1140-1147, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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