鎖骨遠位端骨折に対する cerclage wiring 併用 tension band wiring

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抄録

当院では主としてCraig分類5型のようなC-C ligament付着部の第3骨片を持つような症例,45度以上の斜骨折症例に対してcerclage wiringを併用したTension band wiring法を行ってきた.その術後成績を検討した.対象は2006年10月~2016年12月に上記TBW法にて加療した104例である.それらにつき術前骨折型・術後可動域,back outや肩鎖関節亜脱臼等の合併症を検討した.104例中101例で一期的な骨癒合を得る事ができ,内固定破綻2例,偽関節1例を認めた.K-wireのback outを45例,肩鎖関節亜脱臼・開大を15例で認めた.平均JOA scoreは96点(75~100点),肩関節自動屈曲163.3 ± 18.5(SD) ° と良好な結果を得た.CCL付着部骨片を含む粉砕骨折の場合,通常のTBW法では主骨片同士の接触が小さくなり固定力低下が危惧される.cerclage wireを併用すればTBW法で骨折部に働く張力が剪断力として働く事を防ぐことができ成績向上が期待できる.本法は特に粉砕のある鎖骨遠位端骨折に対して有用な手術法であると考える.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 43 (3), 736-739, 2019

    日本肩関節学会

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