FlowDSA-XM 試薬の有用性の検討

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  • The Usefulness of FlowDSA-XM Assay

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抄録

<p>はじめに</p><p>腎移植において,クロスマッチは必須の検査項目として検査が実施されている。その手法には大きく分けてダイレクトクロスマッチとバーチャルクロスマッチがあるが,日本国内においてはダイレクトクロスマッチが実施されており,その手法はCDC(Complement dependent cytotoxicity))とフローサイトメトリーを用いたクロスマッチがある。</p><p>しかし,CDCは補体結合性抗体のみ検出可能であることや,感度面で不安要素がある。フローサイトクロスマッチでは,補体結合性抗体と補体非結合性抗体両方を高感度に検出可能だが,ドナー細胞に結合したHLA抗体以外も検出可能である。そのため,擬陽性が生じるなどの問題もある。今回われわれは,One Lambda Incより発売されたフローサイトメーターを用い,蛍光マイクロビーズでクロスマッチを行うことが可能なFlowDSA-XM試薬の臨床での有用性の検討を行った。</p><p>方法</p><p>1)従来法とFlowDSA-XMの2法での比較検討</p><p>2)フローサイトメーターの初期設定の検討</p><p>3)共存物質である遊離型ビリルビン,抱合型ビリルビン,溶血ヘモグロビン,乳びの影響について検討を行った。</p><p>結果</p><p>機器の初期設定は,機種により違いがあるため,慎重に設定を行う必要があると思われた。従来のクロスマッチとFlowDSA-XMで一致率は,Class1で96%(57/59症例),Class2で93%(55/59症例)であった。Class1,2の両者合わせて10%(6/59症例)でデータの不一致が確認された。LABScreen Single Antigen確認すると,判定保留域の結果を示した症例やHLA抗体以外の反応により従来法との間で結果に解離が生じたと推測された。</p><p>共存物質の影響は,概ね良好な結果が得られた。</p><p>結語</p><p></p><p>従来法と一致率も良好であり同等の結果が得られた。DSAを的確に確認することが可能であり,精度の高い検査法であると思われた。</p>

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