電気刺激の持続時間と痛み
抄録
<p>神経伝導検査における電気刺激の持続時間は, 一般に短いほど痛くないと信じられてきた。我々は, 同じ生理的効果を現す刺激, たとえば運動神経の最大刺激において, 刺激持続時間と痛みの関連を検証した。対象は, 脛骨神経では健常者14例, 正中神経では健常者20例で, 被検者にはブラインドで, 異なる2つの持続時間の刺激を順に与え, どちらが痛いか申告してもらい, 痛みの強さをスコア化した。その結果, 脛骨神経では0.05 ms, 0.1 ms, 0.2 ms, 1.0 msの比較で, 0.2 msにおける痛みが有意に最小であった。正中神経では, 0.05 msと0.2 msはいずれも1.0 msよりも有意に痛みが小さかった。0.05 msと0.2 msは有意差がなかった。さらに正中感覚神経でも0.2 msで痛みが最小であった。同じ生体効果を現す刺激強度では, 持続時間が短いほど痛くないとは限らず, わが国で広く用いられている0.2 msが神経伝導検査の刺激持続時間として最も適切であると考えられた。</p>
収録刊行物
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- 臨床神経生理学
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臨床神経生理学 47 (6), 550-552, 2019-12-01
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390845702330413568
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- NII論文ID
- 130007756782
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- ISSN
- 2188031X
- 13457101
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可