疼痛感覚の質的要素に対する具現化を目的とした複合電気刺激システムの開発

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抄録

<p>痛みは、生体の主観的要素を反映した不快な感覚であるが、刺激による炎症や組織損傷の恐れを示す警告信号として重要な役割も担う。McGill Pain Questionnaire(MPQ)は最も有名な痛みの評価法の1つであり、痛みの性質を言語的表現で分類する。しかし、痛みの表現には国や地域、言語などで異なる問題が存在する。そこで、本研究では独自に考案・開発した複合電気刺激システムを用いてMPQで表現される疼痛感覚の質的要素に対する具現化を試みた。本システムは3種類の感覚神経線維(Aβ線維、Aδ線維、C線維)が有する周波数特性の違いを利用して2000 Hz、250 Hz、5 Hzに固定した正弦波を単独または複合的に出力可能な刺激装置である。疼痛感覚の誘発は個人の各周波数刺激に対する知覚感度の測定後、各電流値を任意の倍率へ増幅して、それらを単独あるいは組み合わせた複合刺激として与えて実施する。本研究ではボランティア学生の左前腕部を対象に電気刺激で誘発される疼痛感覚を日本語版MPQで分類させた。実験の結果、5Hz、250Hzの単独刺激では負荷に伴い拍動痛や電撃痛など様々な痛みの性質が誘発された。また、複合刺激では5Hzを含めた場合に拍動痛が顕著に現れる傾向を認めた。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual57 (Abstract), S246_2-S246_2, 2019

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390846609788982400
  • NII論文ID
    130007776700
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual57.s246_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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