1年間における短時間型通所リハビリテーションが生活空間、身体機能に及ぼす影響

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抄録

<p>【目的】1年間における短時間型通所リハ(以下通所リハ)が生活空間(Life Space Asessment:LSA)や身体機能に及ぼす影響を検証することを目的とした。</p><p>【方法】対象は2015年4月から2019年4月に通所リハを利用した118名(年齢76.4±9.3歳、男性63名、女性55名)とし、主疾患は脳卒中59名、運動器疾患45名、神経変性疾患8名、内部障害6名であった。対象者に書面にて説明し、署名にて同意を得た。 測定項目は握力、膝伸展筋力体重比、開眼片脚立位時間、Timed up&Go test (TUG)、5m最大歩行時間(5MWT)、Barthel Index(BI)、老研式活動能力指標(老研式)、LSA(住居内:LS1、住居周辺:LS2、住居近隣:LS3、町内:LS4、町外:LS5)を用い、初回評価から1年後に同様の測定を行い比較した。LSA維持向上群(67名)とLSA低下群(51名)に分け、各群において測定項目の初回と1年後を比較した。またLSA以外の各測定項目の1年間の変化量を算出し2群間比較を行い、2群間での性別、介護度、主疾患、同居人の有無に関してカイ2乗検定を行った。有意確率は5%未満とした。</p><p>【結果】全対象でTUG、5MWT、膝伸展筋力体重比、BI、LSA、LS4、LS5に初回より有意な改善が認められた。 2群間おいて年齢、初回評価までの利用期間、初回の各測定項目に有意差はなく、性別、介護度、主疾患、同居人の関連性は認められなかった。維持向上群はTUG、5MWT、BI、LSA、LS2 〜5に有意な改善が認められた。 低下群は5MWTに有意な改善が認められ、LSA、LS1 〜3に有意な悪化が認められた。各測定項目の変化量の2群間比較にて、維持向上群のTUG変化量が低下群より有意に大きいことが認められた。</p><p>【考察】通所リハの介入により心身機能やADLが向上し、生活空間が拡大した。生活空間が狭小化した者は、住居近隣などの身近な生活空間が狭小化し、動的バランス能力の改善度が低かった。生活空間の向上を図るには動的バランスへの介入が重要であることが考えられた。</p>

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  • CRID
    1390846609790788480
  • NII論文ID
    130007779617
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.38.0_p-005
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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