当院の人工呼吸器装着患者における呼吸リハビリテーションの現状と課題

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抄録

<p>【目的】当院における人工呼吸器装着患者に対する理学療法(以下PT)介入の傾向と課題を知るために,呼吸リハビリテーション(以下呼吸リハ)の現状について調査を行ったので報告する.</p><p>【方法】平成27年度から平成29年度の3年間にリハビリ介入した人工呼吸装着患者84名のうち,呼吸器管理中にリハを実施した呼吸リハ群(15名)と呼吸器離脱後にリハビリを実施したリハビリ群(54名)を対象とし,呼吸器管理日数,リハビリ開始までの期間,離床までの期間,平均単位数,平均在院日数,リハビリの内容,転帰を後方視的に調査し,死亡患者(15名)は除外した.</p><p>【倫理的配慮】本研究はヘルシンキ宣言を遵守して,個人が特定できないように十分に留意した.</p><p>【結果】呼吸リハ群では呼吸器管理日数10±7.5日,リハ開始までの期間6±1.7日、離床までの期間19.9±11.7日,1日当たりの平均単位数は1.6単位,平均在院日数は58± 35.3日,内容は他動運動や呼吸介助,体位ドレナージなど主にコンディショニングの実施であった.離脱後のリハビリ群では呼吸器管理日数4.4±4.4日,リハビリ開始までの期間11.7±8.3日、離床までの期間16.5±9.9日,平均単位数は1.9単位,平均在院日数は45±27.1日,内容は主に離床練習,ADL練習であった.転帰については,自宅退院が呼吸リハ群では46.7%,リハビリ群では75.9%であった.</p><p>【考察】当院の体制より,人工呼吸器患者のリハビリ開始までの期間は長く,呼吸器管理下でのリハビリ介入率は低かった.呼吸器管理日数では呼吸リハ群で長く,呼吸リハは主にコンディショニングの実施であり,主治医からの離床基準はないため,離床までの期間および在院日数が長くなっていると考える.今後,早期リハ介入のシステム化や早期離床に関する離床基準などチーム医療としての体制作りが課題であると考える.</p>

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  • CRID
    1390283659837244672
  • NII論文ID
    130007779678
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.38.0_p-067
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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