自動血球洗浄装置「セルウォッシャーUltraCW II」の基礎的性能評価

DOI
  • 西田 謙登
    名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
  • 加藤 千秋
    名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
  • 横山 覚
    名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
  • 川上 萌
    名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
  • 遠藤 比呂子
    名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
  • 渡邊 友美
    名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
  • 松下 正
    名古屋大学医学部附属病院検査部 名古屋大学医学部附属病院輸血部

書誌事項

タイトル別名
  • Basic performance evaluation of the automatic blood cell washing system “cell washer UltraCW II”: Usefulness in tests of blood transfusion

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抄録

<p>輸血検査において赤血球洗浄機に求められる基本的機能は,洗浄効率と洗浄後の赤血球が試験管内に残存することである。今回,Helmer社の自動血球洗浄システム「セルウォッシャーUltraCW II」を使用し,洗浄工程の各パラメーターの条件設定を試み,輸血検査への有用性を検討した。洗浄後残液量は,試験管の洗浄前後の重量差から求めた。洗浄希釈倍数は,OrangeGを使用し478 nmの吸光度測定により求めた。赤血球残量率は,精製水を加え作製した溶血液の541 nmの吸光度により求めた。赤血球洗浄に最も影響を与えた因子は,DECANTの回転数であった。FILLの洗浄液量は過剰な場合,赤血球を減少させた。SPINは時間の延長が洗浄時間の延長につながった。得られたパラメーターにおいて,24本の試験管を用いた同時再現性において洗浄希釈倍数は,10 mm試験管でmean = 109倍,CV = 3.7%,12 mm試験管でmean = 165倍,CV = 6.1%であった。赤血球残存率は10 mm試験管でmean = 72.2%,CV = 12.2%,12 mm試験管でmean = 78.6%,CV = 5.2%であり,良好であった。高蛋白・高グロブリン検体でのPEG-IATによる抗D抗体価測定では,洗浄不十分による抗グロブリンの中和はなく,凝集判定が可能であった。以上より,UltraCW IIは輸血検査における赤血球洗浄に有用であった。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 69 (1), 82-88, 2020-01-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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