術前に診断しえた下腸間膜動脈分岐異常を伴う直腸S状部癌の1例

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  • A Case of Rectosigmoid Cancer with Inferior Mesenteric Artery Arising from the Superior Mesenteric Artery

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抄録

<p>症例は75歳,男性.排便時出血を主訴に前医を受診した.下部消化管内視鏡検査にて直腸S状部に3型腫瘤を認め,生検にて高分化型管状腺癌と診断された.術前3D-CTangiographyでは,下腸間膜動脈は上腸間膜動脈より分岐していた.直腸S状部癌,cT3N0M0の術前診断で,腹腔鏡下高位前方切除術を施行した.術中所見では,下腸間膜動脈の根部を認めず,同部には腰内臓神経の結腸枝のみを認めた.リンパ節廓清範囲の頭側縁は十二指腸下縁までとし,左結腸動脈温存後に上直腸動脈を根部で切離した.左側大腸癌におけるD3リンパ節廓清とは,通常IMA根部周囲までの廓清を指す.しかし,本症例のように血管の走行異常・分岐異常を伴う症例における廓清範囲については一定の見解がない.今回,われわれは術前精査にて下腸間膜動脈分岐異常を診断しえた直腸S状部癌の1例を経験したので報告する.</p>

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