上行結腸リンパ管腫による成人腸重積症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Adult Intussusception due to Ascending Colon Lymphangioma

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抄録

<p>症例は43歳,男性.繰り返す腹痛を主訴に当院受診した.腹部圧痛や腹膜刺激症状を認めず,上腹部に弾性軟の腫瘤を触知した.腹部CTで盲腸付近を先進部とし,横行結腸へ嵌入した腸重積症を認めた.注腸造影検査により腸重積は整復され,上行結腸から盲腸に隆起性病変を認めた.下部内視鏡検査では回盲弁の肛門側に粘膜壊死・びらんを伴う隆起性病変を認め,粘膜下腫瘍が疑われた.悪性腫瘍の可能性も否定できず,待機的に手術を行う方針として,腹腔鏡下結腸右半切除術(D3郭清)を施行した.術後経過は良好であり,術後6日目に退院となった.切除標本では回盲弁が著明に肥厚しており,病理組織学的検査で上行結腸リンパ管腫と診断された.成人腸重積症は腸重積全体の1~5%であり,リンパ管腫を原因とした大腸腸重積症は非常にまれである.今回,われわれは上行結腸リンパ管腫による成人腸重積症の1例を経験したので報告する.</p>

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