ステロイド大量・PGE<sub>1</sub> 併用療法を行った突発性難聴324例の治療成績

  • 浅野 敬史
    山形市立病院済生館耳鼻いんこう科 山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 二井 一則
    山形県立中央病院頭頸部・耳鼻咽喉科
  • 新川 智佳子
    山形市立病院済生館耳鼻いんこう科
  • 天野 真太郎
    山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
  • 那須 隆
    山形市立病院済生館耳鼻いんこう科

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment Outcomes in Patients with Idiopathic Sudden Sensorineural Hearing Loss
  • ステロイド大量・PGE₁併用療法を行った突発性難聴324例の治療成績
  • ステロイド タイリョウ ・ PGE ₁ ヘイヨウ リョウホウ オ オコナッタ トッパツセイ ナンチョウ 324レイ ノ チリョウ セイセキ

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抄録

<p> 当院で入院加療を行った突発性難聴の治療成績や予後因子について検討を行った. 2012年1月1日~2017年12月31日の間に当院に突発性難聴として入院した症例423例を対象とし, そのうちステロイド大量療法に PGE1 を併用しなかった症例や入院後にほかの疾患と診断された症例を除外し324例について検討を行った. 難聴の重症度分類は1998年厚生労働省高度難聴調査研究班に従った. 治療の効果判定は厚生省特定疾患急性高度難聴調査研究班 (1984年) の判定基準を用い, 最終受診時の聴力を用いた. 治癒に至った割合を治癒率, 治癒または著明回復に至った症例を改善率と定義し検討を行った.</p><p></p><p> 全体の治療成績は治癒率39.8%, 改善率52.2%であった. 治癒率および改善率について入院時の年齢, 初診時聴力レベル, 自発眼振の有無, 発症から入院治療開始までの日数, 前医での治療の有無を多項ロジスティック回帰分析で検討した. その結果, 治癒率については発症から入院治療開始までの日数が短いほど, 初診時聴力が良いほど有意に高く, 改善率については入院時年齢が若いほど, 入院治療開始までの日数が短いほど有意に高かった. 発症から入院治療開始までの日数による治療効果の検討に関しては, 7日以内に入院治療を行った場合に有意に改善率が高かった. 入院前のステロイドを含む内服加療の有無や自発眼振の有無は治療成績には影響しないという結果であった.</p>

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