腹部鈍的外傷に伴う胃破裂の1例

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  • A Case of Gastric Rupture After Blunt Abdominal Trauma

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抄録

<p>症例は60歳台の男性で食事摂取後に乗馬した際に落馬し,胸腹部打撲のため当院に救急搬送された。腹部は板状硬であった。腹部CT検査で腹腔内遊離ガス像,胃前壁の不連続性および左腎動脈の血流途絶を認めた。外傷性胃破裂による汎発性腹膜炎が疑われたため緊急手術を施行した。腹腔内の腹水は汚染されており,胃体部前壁から大弯にかけて約5cmの長さにわたって破裂していた。これを縫合閉鎖した。患者は術後に腎周囲膿瘍を発症したが,ドレナージで軽快し,術後39日目に退院となった。腹部外傷において胃破裂の頻度は決して高くはないが,文献的考察ではfull stomachの状態では起こりやすいため,十分な問診をしたうえで可能性があれば常に念頭に置くべきであると考えられた。</p>

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