造影剤アレルギーによるショックを呈し気管支動脈塞栓術が不能であった特発性気道出血に対して外科的切除を施行した治療経験

DOI
  • 石川 慶大
    北海道社会事業協会小樽病院(小樽協会病院)外科・呼吸器外科
  • 川村 健
    北海道社会事業協会小樽病院(小樽協会病院)外科・呼吸器外科
  • 横山 和之
    北海道社会事業協会小樽病院(小樽協会病院)外科・呼吸器外科
  • 進藤 学
    北海道社会事業協会小樽病院(小樽協会病院)外科・呼吸器外科
  • 大畑 善寛
    北海道社会事業協会小樽病院(小樽協会病院)呼吸器科
  • 佐藤 未来
    北海道社会事業協会小樽病院(小樽協会病院)呼吸器科
  • 竹藪 公洋
    北海道社会事業協会小樽病院(小樽協会病院)呼吸器科
  • 飛岡 弘敏
    北海道社会事業協会小樽病院(小樽協会病院)病理診断部

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of a Successful Surgical Treatment of Idiopathic Bronchial Hemorrhaging for Which Bronchial Artery Embolization Was Unsuitable Because the Patient Had Contrast Agent Allergy

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抄録

<p>背景.造影剤アレルギーに対してショック歴を有する喀血患者に対して,気管支動脈塞栓術を選択することは難しい.症例.70歳女性.喀血と呼吸困難を生じ前医入院.胸部造影CT撮影直後に血圧低下,気道狭窄,発疹を伴うアナフィラキシーショックを呈したため,アドレナリン,プレドニゾロンを投与され症状は改善した.気管支鏡で右上葉気管支に気道出血,血餅の充填を認め,胸部CTでは右上葉S1に33×22 mm大の濃度上昇域を認め,右上葉S1からの気道出血と考えられた.再評価のCTで右上葉陰影は消失,気管支鏡で特に所見は認められず,今後のフォロー目的に当科を受診された.気道出血した場合,気管支動脈塞栓術による治療選択が難しいため,突然の気道出血による窒息回避のために待機的手術をすすめ,治療に同意された.手術は胸腔鏡下右肺上葉切除を施行した.病理結果ではS1aの10 mmの範囲での肺とリンパ節での出血以外,明らかな動静脈瘻や動脈瘤などの所見は認めなかった.術後経過は良好で術後16病日に退院した.結論.造影剤アレルギーを呈した気道出血の場合,待機的に手術することで安全に治療できうる可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 42 (1), 53-58, 2020-01-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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