消化器症状を有する横隔膜弛緩症を合併した前立腺癌両側肺転移に対する一期的手術例

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  • A case of simultaneous surgery for symptomatic eventration of the diaphragm and bilateral metastatic pulmonary tumor due to prostate cancer

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抄録

<p>症例.75歳,男性.血痰を伴う前立腺癌肺転移を疑われ当科紹介.胸部CTでは3ヵ所の両側肺末梢の腫瘤影と左横隔膜挙上を認めた.腹部膨満感のため食事摂取量は低下し,肺機能検査では拘束性障害を認めた.消化器症状,低肺機能の原因は横隔膜弛緩症と判断し,一期的に両側肺部分切除術,横隔膜縫縮術を予定.先行して側方開胸下に左肺S1+2部分切除術を施行.菲薄化した横隔膜に小切開を置き大網の癒着を剥離し,連続縫合し横隔膜を形成した.次に胸腔鏡下右肺部分切除術を施行.術中の分離肺換気は問題なく終了.前立腺癌肺転移との病理学的診断であった.術直後より消化器症状は消失し食事摂取量は改善,術前に困難と判断されていた前立腺癌化学療法に繋げる結果となった.</p><p>結語.低肺機能であったが横隔膜弛緩症に対して先行して横隔膜縫縮術を施行することで対側肺手術も一期的に安全に施行し得た.</p>

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