潜熱蓄熱材酢酸カリウム2水塩の融点と潜熱量の数値評価

書誌事項

タイトル別名
  • Numerical Evaluation of Melting Point and Fusion Heat for Potassium Acetate Dihydrate as a Latent Heat Storage Material
  • センネツチクネツザイ サクサン カリウム 2スイエン ノ ユウテン ト センネツリョウ ノ スウチ ヒョウカ

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抄録

<p>潜熱蓄熱材として利用が期待される酢酸カリウム2水塩の融点Tm=291 Kと潜熱量ΔHf=135 kJ/kgとの関係の必然性を明らかにするため,その化学構造式に着目し,両者の関係について定量的検討を試みた.まず,同一の陰イオンを有し陽イオンがNa+とK+である化合物同士で,水和塩の結晶水の数とその脱水転移温度とが明らかな組合せ4組を検討した.その結果,総じてその脱水転移温度はナトリウム塩に対しカリウム塩の方が20–50 K程度低くなることがわかった.また,結晶中のイオン半径に対する水溶液中のストークス半径の比が小さいほど,脱水転移温度,いわゆるTmが低くなる傾向を指摘した.次に,水和塩が融解するときのエントロピー変化量ΔSf(=ΔHf/Tm)を水単体の融解エントロピー変化量ΔSf,HOと水和塩中の結晶水の重量分率Φwとで関係づけ,これに基づきTmとΔHfとの関係を記述する簡便な関係式を導出した.この式を実測値(水和塩計18種)を用いて検証した結果,水和塩の化学構造式とそのTm値が決定されれば,±0.212の相対標準偏差でΔHf値を推算できることを明らかにした.またこれにより,酢酸カリウム2水塩のTmに対するΔHfの数値の必然性が確認された.</p>

収録刊行物

  • 化学工学論文集

    化学工学論文集 46 (2), 41-48, 2020-03-20

    公益社団法人 化学工学会

参考文献 (19)*注記

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