オスラー病鼻出血に対する外鼻孔閉鎖術―その効果と適切な術式の検討―

書誌事項

タイトル別名
  • Nostril Closure Surgery for Epistaxis in Patients with Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia—Clinical Effectiveness and Appropriate Surgical Approach—

抄録

<p>外鼻孔閉鎖術をオスラー病患者の鼻出血に対して施行したところ術後に出血の完全停止がもたらされたという報告が15年ほど前にあり,画期的治療法として期待されたが,その後症例数が増えるにしたがい,完璧な出血制御手段ではないことが判明してきた。しかし,オスラー病の鼻出血に対する手術の中では,止血の観点からは最も優れているものであることは間違いない。2004年から2019年の間に外鼻孔閉鎖術を施行した20例(男性11例,女性9例)を対象とし,術式別にみた外鼻孔閉鎖成功率と術後の出血停止状況についてretrospectiveな検討を行った。大多数は両側に施行し,平均手術時間は74.8分,平均出血量は28.5mlであった。施行した術式は2層縫合によるもの,それに同部の減張を図る縫合を追加するもの,lateral nasolabial crease flapを用いるものなどである。初回手術では37側中12側しか外鼻孔の完全閉鎖はできず,2回目以後でも28側中成功例は8側しかなかった。特にrotation flapを用いた例の結果が悪かった。解剖学的視点を加えたさらなるアプローチ法の改良が必要である。小穿孔があっても出血頻度や程度は術前よりは改善するが,出血停止例はない。完全閉鎖した例でも血圧の急激な変化による出血は予防できないので注意が必要である。</p>

収録刊行物

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ