中葉肺動脈と高度シャントを認める気管支動脈,下横隔動脈,内胸動脈の塞栓術後に右中葉切除を施行した気管支拡張症の1例

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タイトル別名
  • A case of bronchiectasis with right middle lobe resection after embolization of bronchial artery, inferior phrenic artery, and internal thoracic artery with severe shunt with middle lobe pulmonary artery

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抄録

<p>症例は高度精神遅滞合併の43歳女性.大量喀血を繰り返し,胸部CTで右中葉の気管支拡張と著明に発達した複数の流入動脈を認め,手術の方針とした.術前に動脈造影を行い,中葉動脈と気管支動脈,下横隔動脈,内胸動脈に高度シャントを認めた.術中の出血軽減目的に各動脈をほぼ全て塞栓した.手術は第5肋間開胸でアプローチ,中葉と胸壁,横隔膜との癒着を剥離し,流入する複数の内胸動脈と下横隔動脈を丁寧に結紮切離した.塞栓術による血流の低下で流入動脈の遮断は安全に行い得た.最後に太い気管支動脈を結紮切離し,中葉切除を完了した.合併疾患から術後の喀痰喀出困難を予想し,気管切開を行った.手術時間は223分,出血量は少量で無輸血であった.特に動脈シャントを伴う気管支拡張症において,術前塞栓術が術中の出血量軽減に有用と考えられた.</p>

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