腹部刺創による胃穿孔に対し,審査腹腔鏡から開腹移行により治療し得た1例

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  • A Case of Gastric Perforation Caused by Stabbing with a Knife, Treated with Converted from a Laparoscopy to Laparotomy

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抄録

<p>症例は27歳女性。自傷行為により果物ナイフで腹部を刺傷した。時間の経過とともに腹痛が増強し,当院に救急搬送となった。明らかな腹膜刺激症状は認めなかったが,血液検査で炎症反応が高値を示し,腹部造影CT検査で腹腔内にfree airと血液と思われる液体貯留を認めたため審査腹腔鏡を行うこととした。審査腹腔鏡では,ナイフの刺入ルートの全貌がはっきりせず,消化管穿孔部も明らかにできなかったことから開腹移行した。開腹所見では刺創は胃の前後壁,横行結腸間膜を貫き,空腸起始部付近の小腸間膜まで達していた。胃は,前後壁ともに全層縫合を行い,小腸腸間膜,横行結腸間膜も縫合した。腹部穿通性外傷に対して腹腔鏡により手術の完遂までを計画したが,刺創ルートの観察が不十分と判断し開腹移行した症例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する。</p>

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