小児がん家族への経済支援の検討

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration of economic support for parents with cancer-stricken children

この論文をさがす

抄録

<p>【目的】本研究の目的は,小児慢性特定疾患治療研究事業から助成を受けている小児がん家族の経済状況を把握し,経済支援への満足感を示すことである.</p><p>【方法】助成を受けている小児がん家族197名に,無記名自記式質問紙調査を実施した.調査内容は基本属性,医療費助成制度,経済支援への満足感,経済負担への困難・不安で構成した.経済支援への満足に関連する因子を評価するためにロジスティック回帰分析を用いた.</p><p>【結果】母親および父親,計107名のうち約70%は入院時の食費や外来通院時の交通費など医療費以外の費用に経済負担を抱えながらも公的な経済支援へ満足していた.さらに,情報伝達時の医療者の姿勢が消極的と比較し,積極的な方が家族の満足度が有意に高かった(OR, 10.3; 95% CI, 2.5–42.3).一方,家族は晩期合併症や民間保険への加入が難しいことに加え,経済支援終了後の経済負担を心配していた.全国平均より子どもの数が多く,収入が少ない岡山県は,経済支援終了後はより経済負担が多くなることが予想される.</p><p>【結論】小児がん家族の経済支援への満足感を高めるためには,情報伝達時の医療者の積極的な姿勢が重要であった.また,経済支援は地域特性や社会状況を反映させた内容にしていく必要性が示唆された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ