悪性腫瘍と鑑別困難であったLocalized Cystic Disease of the Kidneyの小児の1例

  • 藤本 幸太
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 松山 聡子
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 松井 太
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 矢澤 浩治
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科
  • 松本 富美
    大阪府立病院機構大阪母子医療センター泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • LOCALIZED CYSTIC DISEASE OF THE KIDNEY IN A 6-YEAR-OLD GIRL

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抄録

<p>症例は,6歳,女児.肉眼的血尿と右側腹部痛を主訴に前医を受診した.画像診断で右腎に2~10mmの囊胞をびまん性に認め,精査・加療目的に当科紹介となった.悪性腫瘍を否定できなかったため,後腹膜鏡下右腎摘除術を施行した.病理組織検査では,腎皮質から髄質,腎乳頭にかけて大小多数の囊胞があり,被膜を持たず,正常の腎組織に囲まれた囊胞性病変でlocalized cystic disease of the kidney:LCDKと診断された.LCDKは稀な囊胞性腎疾患で,Wilms' tumorの好発年齢である10歳未満の小児ではこれまでに5例の報告しかない.非進行性で,非遺伝性の囊胞性腎疾患で,病変部以外の腎機能は保たれており,保存的治療が望ましい.しかしながら,本症例では症候性であったこと,画像診断で腫瘍との鑑別が困難であったこと,びまん性であったことより腎摘除に至った.</p>

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参考文献 (13)*注記

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