放線菌症肺炎の合併が疑われ抗菌薬と硬性鏡下異物摘除により治療した気道異物の1例

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  • A Case of Airway Foreign Body and Pneumonia Suspected Pulmonary Actinomycosis Treated with Antibiotics and Rigid Bronchoscopy

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抄録

<p>背景.肺放線菌症および気道異物はいずれも外科的切除を考慮され得る疾患である.症例.70歳男性.2018年5月,体重減少および多量の黄色痰が出現し前医を受診した.胸部CT検査で右肺底区浸潤影を認めた.気管支鏡検査でB8+9入口部のポリープ様腫瘤および白色異物が検出され,腫瘤の擦過細胞診で放線菌症が疑われた.抗菌薬治療が開始され自覚症状は改善,半年後の胸部CT検査でも浸潤影の著明な改善を認めた.気管支鏡検査では腫瘤および異物は残存しており,軟性鏡下での摘出が困難と判断され,硬性鏡下摘出目的で2019年3月に当科を紹介受診した.気管分岐部直上に硬性鏡の外筒を留置し,鉗子を用いて異物を把持すると脆く砕け,数回に分けて全て摘出した.ポリープ様腫瘤もともに摘出し,気管支末梢の開通を確認して終了した.現在,再発なく外来通院中である.結語.肺放線菌症肺炎の合併が疑われた気道異物に対して,抗菌薬治療の後に硬性鏡下アプローチで異物を摘出して有効であった.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 42 (4), 301-305, 2020-07-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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