局所陰圧閉鎖療法による手部の植皮片固定法

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  • A Method of Skin Graft Fixation of the Hands Treated byLocal Negative-Pressure Wound Therapy(NPWT)Using RENASYS<sup>®</sup> Cotton Filler
  • -RENASYS<sup>®</sup>コットンフィラーを用いて-

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抄録

 手部は可動部位であるとともに形態的特徴として多数の関節,腱,指間などの構造をもち, 複雑な形状を有するため, 植皮片の圧迫固定に工夫を要する部位の1つである. 手部へ植皮片を固定する方法としては, 従来から用いられているbulky dressingに加え, フォームフィラーによる局所陰圧閉鎖療法 (negative pressure wound therapy ; 以下NPWT) を使用した症例の報告などが散見される. 当施設では手部へ分層植皮術を行う際, RENASYS®コットンフィラー (以下, コットンフィラー) を用いたNPWTを使用して良好な結果を得ているため, 本稿ではその手技につき報告する. われわれが好んで用いているコットンフィラーは, 形状の自由度が高く, 追従性に優れるため, 凹凸面や指間への充填が容易であり, 本法は手部へ植皮片を固定する際, 選択肢の1つとして有用と思われた. 植皮片をNPWTで固定する際, 最適な陰圧設定値に関しては議論の余地があるが, 本法を用いる際は圧が減衰する可能性を考慮したうえで, 症例に応じて陰圧値を設定することが望ましいと考えられる.

収録刊行物

  • 熱傷

    熱傷 46 (3), 92-97, 2020-09-15

    一般社団法人 日本熱傷学会

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