書誌事項
- タイトル別名
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- Two Cases of Popliteal Artery Entrapment Syndrome
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抄録
<p>症例1:53歳男性.右下肢間歇性跛行を主訴に近医を受診した.ABIの低下はなく,下肢超音波で右足関節底屈時に下腿動脈血流の低下を認めた.造影CTで右膝窩動脈に限局性の狭窄を認め,腓腹筋内側頭が膝窩動静脈間を走行しており,膝窩動脈捕捉症候群と診断した.手術は,腹臥位で膝窩後方からアプローチした.手術所見上,腓腹筋内側頭と外側頭,膝窩動静脈の位置関係から,Delaney分類II型と診断した.腓腹筋内側頭は大腿骨付着部で切離した.膝窩動脈の狭窄部は,内膜肥厚が軽度で,白色血栓の付着を認めたため,血栓除去のみ行った.症例2:37歳男性.左下肢間歇性跛行を主訴に近医を受診した.ABIは左下肢で0.76と低下し,造影CTで左膝窩動脈に限局性の造影欠損を認めた.左膝窩部では細い腱が膝窩動静脈間を走行しており,下肢MRIでも同様の所見を認め,膝窩動脈捕捉症候群と診断した.手術は,腹臥位で膝窩後方からアプローチした.腓腹筋内側頭の走行異常は認めなかったが,膝窩動脈背側を覆う硬く薄い線維性結合組織を認め,造影所見からDelaney分類IV型と診断した.膝窩動脈の閉塞部は内膜肥厚が著明であったため,同側の大伏在静脈を用いて置換した.今回われわれは,異なる病型と動脈の閉塞様式をもつ2例の膝窩動脈捕捉症候群に対して,それぞれに適した術式を選択し,治療する経験をしたので,文献的考察を加えて報告した.</p>
収録刊行物
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- 日本心臓血管外科学会雑誌
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日本心臓血管外科学会雑誌 49 (5), 310-316, 2020-09-15
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390285697606009344
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- NII論文ID
- 130007919308
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- ISSN
- 18834108
- 02851474
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可